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2008年横浜のキャベツ畑見学

■見学開催日:2008年10月13日(月)
■参加者数:8名
横浜市神奈川区菅田町キャベツ畑の見学
 
横浜駅西口9時半集合、バスで約15分。
おしゃべりしているとあっという間にビルの立ち並ぶ駅周辺の風景から、のどかな神奈川区菅田町へ。
バス停からしばらく歩くと広大なキャベツ畑が見えて来ました。
穫期を迎え、巻きのしっかりしたキャベツが規則正しく並んでいます。
キャベツ畑の向こうには新横浜プリンス、ランドマークタワーが見える、まるで合成写真のような光景。
ポカポカ陽気のこの日、メンバーである堀内さんより、資料提供と説明をしていただき、のんびりと歩いてきました。
 
Ca390285_2 キャベツは横浜市内で最も収穫量の多い野菜であり、その収穫量約13000トンは全国の市町村で10位。
そのうち約半分は神奈川区を中心に栽培されており、横浜市の生産振興品目(横浜ブランド農産物)の一つにも認定されています。
日本では一人がアメリカの2倍、ヨーロッパの1.5倍食べるというほど、キャベツは日本人好みの野菜だそうです。
 
横浜では、主に春の5~6月と、秋の10~12月に収穫されます。
栽培される主な品種は、
 ・夏秋キャベツ(しずはま1号・YR若大将)
 ・冬キャベツ(いろどり・YRかぎひろ・YR春系305・錦秋)
 ・春キャベツ(金系201・中早生2号・秋蒔中早生3号・YR秋早生・YRあおば・秋早生)
 
Ca390287_2 キャベツの生産地、市町村別トップ10(H18年度 全国1800市町村)を見てみると、
 1位:群馬県嬬恋村(涼しい高原の気候を利用し、夏は全国で断然トップの生産量)
 2位:愛知県田原町(温暖な気候、渥美半島)
 3位:愛知県豊橋市(渥美半島に隣接)
 4位:千葉県銚子市
 5位:神奈川県三浦市(1~4月も収穫できる)
 6位:茨城県古河市
 7位:神奈川県横須賀市(主に三浦市に隣接するところで生産)
 8位:岩手県岩手町
 9位:兵庫県南あわじ市
 10位:神奈川県横浜市
 
Ca390288_3 大都市横浜が10位というのは異色のランキング。
横浜市は全国でも例を見ない、農地と住宅地が混在した都市なのです。
 

 

今は夏秋のキャベツの収穫期。
この日は祝日でしたが、月曜日なので市場への出荷があり、生産者さんが収穫作業をしていらっしゃいました。
そんな、お忙しい中、私たちに生産~流通過程の話をしてくださいました。
「ここで今、収穫しているのは、しずはま1号(横浜系推奨品種)という品種。
7月5日に種を播き、8月10日に畑に植えたもの。」
1つ1つ、収穫できる大きさか、傷みがないかを目で確認し、刃物を使って手作業での収穫。
それだけでも大変な労力だと思いました。
 
私たちの感覚では、キャベツ1個の価格は100円なら安い、200円超えるとちょっと高いかな?
150円くらいが妥当なところでしょうか?
生産者さんの労力やコストを考えると、もっと価格を上げてもいいと思う反面、
生活者としては日常的に食べる野菜なので、現状維持を望んでしまいます。
 
「今年は雨が続き、傷んでしまい、出荷できないものが多くなってしまった。
半分くらい出荷できないところもある。」とのこと。
辺りを見れば、収穫されず放置されたキャベツ、割って捨てられたキャベツが多数ありました。
傷んだところを取り除けば、おいしく食べられるキャベツでも、売り物にはならないのです。
2ヶ月間、大切に育てられたキャベツが出荷されることなく、つぶされるのは、
生産者さんにとって、とてもつらいことだと思います。
そんな現実を目の当たりにして、自然の中で栽培することの難しさを改めて感じました。
 
キャベツ、はくさい、ほうれん草等は、価格の変動幅が大きいが、なぜか?
「これは需要と供給のバランスの問題。天候不順で収穫量が減少すれば価格は上がり、
収穫量が増加すれば価格は下がる。
しかし、生産過剰で小売価格が1個100円以下になるなら、労力とコストを考えると採算が合わず、
つぶす判断になる。」とのこと。
 
出荷に使われる、キャベツが8個入る段ボール1つで150円。
その他に種、肥料、資材等を合わせると、1箱に350~400円かかる。
これが生産過剰の時には、市場の価格で1箱600円程で取引され、
キャベツ1個当たり25~30円の利益にしかならないそうです。
 
「食べられる野菜が畑でつぶされる。」これはテレビでもよく報道される、深刻な問題です。
キャベツは一斉に収穫時期を迎えるので、工業製品のように生産量をコントロールできないし、
過剰分のストックは巨大な冷蔵庫がない限り無理。
加工品にするという案も、コンスタントに原料を供給できなければ、商業ベースには乗せられないので難しく、
アイディアを募集しても、これといった解決策のないのが現状です。
 
無駄にしてはいけないと、キャベツの硬いところも刻んで食べきろうとしている私は、
矛盾を感じつつ、仕方がないのかな?と思ったり。
それでもせめて、生産者さんに感謝して大切に食べたり、
たくさん収穫できる時に、需要が増えるようなはたらきかけをしていきたいと思いました。
 
生産者さんからこんなことも、
「消費者(生活者)の価値観が変わり、虫喰いや形を気にしなくなれば、農薬も少なく、我々の手間も少なくできる。
きゅうりは、曲がっていても味に変わりはないし、ほうれん草なんか、アメリカだと、25cmを超えたものでも流通している。」
野菜について、正しい情報を知り、それを伝えていくことの大切さを感じました。
 
その他、畑の地下にパイプが通っていて、水撒きできるようになっていたり、フェロモン剤で害虫から守っていたり、
雨で道路に土が流れないように草が植えてあったり、U字溝になっていたりと、細部にも目を向けながら説明を聞きました。
堆肥の牛糞(比較的臭わないのだそう)、木の枝のコンポスト置き場も見てきました。
 
こちらの畑では、12月に春キャベツを植えるとのこと、
春キャベツの成長の様子を見に、また訪れたいなと思いました。
 

( 記: 山口 桂子 )

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